農林中央金庫危機。 農林中央金庫法|条文|法令リード

農協金融の末路 「出資金」はどうなる?「農協」はどこへ行く?

農林中央金庫危機

山下一仁 [キヤノングローバル戦略研究所研究主幹/経済産業研究所上席研究員(非常勤)] 東京大学法学部卒業。 同博士(農学)。 1977年農水省入省。 同省ガット室長、農村振興局次長などを経て、2008年4月より経済産業研究所上席研究員。 2010年4月よりキヤノングローバル戦略研究所研究主幹。 主著に(講談社)、(ダイヤモンド社)、 『農協の大罪』(宝島社新書)、『農業ビッグバンの経済学』(日本経済新聞出版社)、『環境と貿易』(日本評論社)など。 農業開国論 山下一仁 自給率39%という危機的状況にある日本の「農」と「食」。 農水省元幹部で、WTO交渉の最前線にもあった気鋭の論者が、農業政策のあり方について大胆提言する。 米国の住宅バブル崩壊という異なる世界での出来事が、戦後農政を支配してきた帝国の崩壊を促すかもしれない。 他でもない、全農(全国農業協同組合連合会)や農林中金などが組織する農協グループ(総合農協=JA)の話である。 周知のとおり、サブプライム問題に端を発した世界的な金融危機の深刻化はわが国有数の機関投資家であり、農協グループの信用(金融)事業の全国団体である農林中金に大打撃を与えている。 11月、農林中金は、金融市場の混乱で1017億円の損失を計上、当初3500億円と見込んでいた今年3月通期の経常利益予想を71. 6%減の1000億円程度に下方修正した。 農林中金は資産の多くを有価証券などで運用しているため、保有資産の価格低下によって時価が簿価を下回る「含み損」は1兆5737億円に達している。 報道によれば、損失処理などの拡大による自己資本の目減りを防ぐため、全国のJA農協グループから1兆円の出資を要請しているほどに事態は切迫しているようだ。 筆者は、率直に言って、この農林中金の窮地がきっかけとなって、農協の瓦解もあり得ると考えている。 零細農家を相手にする非効率な農協の農産物販売や農業資材の購入などの農業関連事業は大幅な赤字であり、農協はそれを信用事業や共済事業の黒字で穴埋めしてきた経緯がある。 農林中金は有価証券の運用益を活用して、毎年3000億円もの損失補填を行ってきた。 やや古いデータになるが、入手可能な最新の財務データとなる2002年度には、1農協当たりの経済事業等は2億8500万円の赤字だが、信用事業1億2500万円、共済事業2億8100万円の黒字で補填し、差し引き1億2100万円の利益を上げている。 この方程式が崩れれば、農協システムが揺らぐことはいまでもない。 そもそもサブプライム問題以前から、農協を支えてきた信用事業には陰りが見えていた。 農協への貯金は1970年代から1990年代前半まで各年2兆円を超える増加を見せてきたが、1995年以降、2兆円に届かない状況が続いている。 さらに、相続などによって5000億円から1兆円の預金が流出し続けている。 過去、農外所得や土地の莫大な転用利益が農協に預けられてきたが、都市に住んでいる子供が相続すれば、農協預金を引き揚げて都市銀行に預金するようになるからだ。

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農林中央金庫(JAバンク)がやばいと言われる理由〜CLOで倒産の危機〜

農林中央金庫危機

(ブルームバーグ): 農林中央金庫は27日、2020年3月期のローン担保証券(CLO)の評価損が4000億円超に上ったことを明らかにした。 新型コロナウイルス感染拡大による世界的な金融市場の混乱が影響した。 同日の決算会見で奥和登理事長が詳細を説明した。 奥理事長は新規のCLO投資には引き続き抑制的な姿勢で取り組むとする一方、CLOの評価損は保有残高の5%程度であり、減損損失の計上が必要なレベルには程遠いとの認識も示した。 27日に開示した資料によると、格付けの低い企業への融資を束ねて証券化したCLOの保有残高は、19年12月末の8兆円から3000億円減少し、7兆7000億円だった。 CLO残高は市場運用資産全体の12%を占め、すべて満期保有目的の「AAA」格だった。 一方、「CLOと同じようなリターンを得られる投資はなかなかない」といい、トリプルA格のCLOにとって「損失吸収バッファーは厚い」とも述べた。 農中を筆頭に日本の金融機関は欧米のCLO市場で主要な投資家の一角を占めている。 会見に同席した大竹和彦専務は組合員からの預かり金の投資先として「ハイイールド債やエマージング債には手を出せない」と述べたうえで、「過度に割安な局面と判断した場合、投資適格の社債や株に投資する」との方針を示した。 CLOを除いた20年3月期の債券や株式、クレジットなどの有価証券評価益(単体ベース)は2兆3471億円だった。 昨年12月末と比べて2675億円(10%)減少した。 19年3月期との比較では2772億円(13%)増だった。

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農林中金(農林中央金庫)JAバンクの総元締め 日本最大のヘッジファンドの実態

農林中央金庫危機

農林中央金庫のギャンブル依存症がぶり返してきた。 今度は欧州債務危機につけ込んだ一攫千金狙いだ。 どうやら「和製ヘッジファンド」と持ち上げられ、バクチまがいのサブプライム投資にのめり込んだ挙げ句、リーマン・ショックで大火傷を負った過去を忘れてしまったらしい。 JA(農協)グループに1兆9千億円もの巨額増資を引き受けてもらい、ようやく危機を乗り切ったにもかかわらずである。 農林中金は経営基盤が弱体化した欧州の金融機関が売り出す資産を取得すべく画策している。 邦銀では三井住友銀行が英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドから航空機リース事業を買収するなど既に動きは始まっており、「バスに乗り遅れるな」というわけだ。 現在、欧州系銀行の信用問題はEU圏の金融危機対策によって小康状態とはいえ、大手銀行に対する国際的な資本規制の強化が待ち構えており、「欧州系はいず ……… ログイン オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。 IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。 FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービスです。 年間定期購読をご契約の方は無料でご利用いただけます。 詳しくはをご覧ください)。

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