ウィンド リバー 実話。 映画『ウインド・リバー』実話に基づく重い話…でネタバレ戯言

池上彰氏が登場!映画『ウインド・リバー』を巡り”アメリカの闇に切り込む”白熱教室が緊急開催!

ウィンド リバー 実話

CONTENTS• 映画『ウインド・リバー』の作品情報 C 2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE 【公開】 2018年(アメリカ映画) 【原題】 Wind River 【監督】 テイラー・シェリダン 【キャスト】 ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン、ジョン・バーンサル、ジル・バーミンガム、ケルシー・アスビル、グレアム・グリーン、ジュリア・ジョーンズ、テオ・ブリオネス、タントゥー・カーディナル、エリック・ラング、トカラ・クリフォード、マーティン・センスマイヤー、オースティン・グラント、イアン・ボーエン、ヒュー・ディロン、マシュー・デル・ネグロ、ジェームズ・ジョーダン 【作品概要】 ワイオミング州、ネイティブアメリカンの保留地「ウインド・リバー」。 雪山で発見された少女ナタリーの死体、第一発見者で野生生物局に勤めるハンターのコリーは、部族警察長ベンの要請で、新人FBI捜査官のジェーンと共に、犯人の捜索を開始。 果たして犯人は誰なのか?そして事件に隠されたアメリカの闇とは? 主演は『アベンジャーズ』シリーズのホーク・アイ役などで知られるジェレミー・レナー、監督は『ボーダーライン』 2015 『最後の追跡』 2016 の脚本を担当したテイラー・シェリダン。 白人社会とネイティブ・アメリカン社会の対立 C 2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE 本作『ウインド・リバー』は、 ネイティブアメリカンの保留地「ウインド・リバー」で発生した、殺人事件を中心に物語が進んでいきます。 作品の舞台となる、ネイティブアメリカンの保留地とは、 かつてネイティブアメリカンが生活していた農業に最適の土地を、大陸から来た白人達が占領しました。 当時のジャクソン大統領が、1830年に制定した「インディアン強制移住法」で、 ネイティブアメリカンは、政府が用意した保留地へ強制移住させられ、「ウインド・リバー」はロッキー山脈の隣に位置し、冬は雪に閉ざされる辺境の地となります。 この一連の出来事で、白人社会とネイティブ・アメリカン社会の間に、修復不可能とも言える溝ができ 「アメリカ最大の失敗」とも語られています。 作品内でFBI捜査官のジェーンを「ウインド・リバー」の住人が毛嫌いしていたり、アメリカの国旗を逆さにしているシーンがありますが、これは歴史的な理由から、 白人への敵意を表現しています。 無法地帯と化した保留地の闇 C 2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE ネイティブ・アメリカンは、辺境の地に強制的に移住させられただけでなく、 白人との同化政策により、独自の文化を破壊された上、貧しい生活を送る人が増えるようになります。 現在でも、自分の生活に希望を持てず、アルコールやドラッグなどに依存する人が多く、 犯罪が多発し社会問題となっています。 保留地は連邦政府の土地となっており、事件が発生しても州警察や市警察は動かず、事件に介入するのはFBIのみとなります。 その為、作中でも登場した独自の警察組織、部族警察が組織されています。 また、事件として扱われなければ、死亡者数も行方不明者数も調査されないという実態があり、 数多くの事件が発生しているにも関わらず、失踪者、死亡者数の人数が解明されていません。 本作のラストで表示されるテロップ「数ある失踪者の統計にネーティブアメリカンの女性のデータは存在しない。 実際の失踪者の人数は不明である。 」は、こういった社会的な背景が原因となっています。 作中で、一度自然死になりかけたナタリーの死因を、暴行を受けた際の傷跡からからジェーンが、必死で殺人事件として扱おうとしたのはこの為です。 保留地では、レイプは犯罪として立証されない為、ジェーン達は他の管轄に渡さないように、極秘で捜査を進めていました。 『ウインド・リバー』が扱っているテーマは、この 無法地帯と化した保留地の闇の部分となります。 保留地の光となるカウボーイ C 2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE 本作では、ナタリー殺害の真相を、3人の捜査官が追っていきます。 部族警察長のベン、FBIの新人女性捜査官ジェーン、野生生物局ハンターのコリー。 中でもコリーは、時にはナタリーを失った父親のマーティンの良き友人となり、時にはナタリーの兄に父親のように接しており、 保留地の人々の支えとなっています。 ですが物語の途中で、ナタリーの兄の「あんたは、ここの人間じゃないだろ?」という言葉から、 コリー自身も余所者である事が分かります。 ここで興味深いのがコリーの風貌、テンガロンハットを被り、常に無愛想な表情を浮かべ、カウボーイのような印象を受けます。 監督のテイラー・シェリダンは、 コリーを「おしゃべりなカウボーイ」と表現しています。 カウボーイと言えば、西部劇に登場しインディアンと戦う印象が強いですが、カウボーイ風のコリーは、先住民族の支えになろうとしているのです。 本作を西部劇と比較する人は多いですが、 コリーは土地を奪うのではなく、逆に守り続ける保留地の光となるカウボーイという印象を受けます。 これは、かつて先住民族を悪者として描き、先住民族を倒していくカウボーイや騎兵隊を、ヒーローとして描いていた 西部劇への、アンチテーゼにも感じます。 成功しようが失敗しようが作らなければならなかった映画 C 2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE ネイティブアメリカンの先住民の生活や環境について、アメリカ国内でも、あまり知られていません。 本作の監督、テイラー・シェリダンも「ウィンド・リバーで、異常にレイプ事件や女性の行方不明者が多い」という記事を読み、現地でネイティブアメリカンの信頼を得て、協力してもらいながら取材を重ねました。 テイラー・シェリダンは 「この作品は成功しようが失敗しようが作らなければならなかった映画だ」と語っています。 また、雪山での撮影は過酷で、カメラを乗せる台車や、 カメラを安定させる装置などは使用できず、手持ちカメラでの撮影しか方法がありませんでした。 手持ちカメラは見苦しくなる可能性があり、テイラー・シェリダンは「リスキーなアイデアだった」と語っています。 確かに手振れが気になるシーンはありましたが、 それが逆にこの作品にリアリティを与えていたと思います。 特にナタリーの死体をコリーが発見するシーンは、死体の様子を手持ちカメラで撮影している為、何とも言えない不安な感覚から、息苦しさを感じました。 テイラー・シェリダンは「物語が映しだすものが社会に反映され、何らかの変化を起こすこと」を願いながら本作を制作しました。 テイラー・シェリダンの熱意が込められた本作は、 第70回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門にて監督賞に輝きました。 また当初は、全米4館の限定公開でしたが、 口コミで話題が広がり公開4週目には2095館へと拡大され、6週連続トップテン入りを記録、「アメリカ人の観客の共感を得られるとは思っていなかった」テイラー・シェリダンは「共感を得られた事がありがたかった」と語っています。 エンターテイメント映画として高い完成度 C 2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE ここまで読んでいただけると、アメリカの問題を描いた、重苦しい難解な作品と感じる方もいるかもしれませんが、本作は エンターテイメント映画として完成度が高いです。 テイラー・シェリダンは 「誰も、わざわざお金を払って説教くさい映画を見たくはない」と考えており、「観客を楽しませる事が真っ先に来なければならない」と語っています。 特に、人物描写が優れていたと思います。 新人FBI捜査官のジェーンは、何も知らないまま薄着で事件現場に到着した所から、次第に「ウィンド・リバー」の闇に気付き、全力で事件の真相に挑むようになります。 部族警察長ベンは、FBIが寄越したのが新人女性捜査官のジェーン1人である事と、あきらかにジェーンが雪山を甘く見ていた事から、当初は呆れた様子を見せます。 ですが、ナタリーの死を安直に自然死と扱わずに、事件の真相を解明しようとするジェーンの熱心さから、ジェーンをサポートしながら、捜査を続けて行きます。 コリーも、当初はジェーンへの協力を「子守」と呼びながらも、自身の過去に繋がる理由から、ナタリー殺害の真相を究明しようとします。 規則に乗っ取った捜査をするジェーンと、自由に動くコリーは、対照的に思えますが、ジェーンは次第にコリーの悲しい過去や、優しさに触れていき、 心から信頼しあえるチームとなっていきます。 そして、事件の真相が明らかになった時、 悪党に一切容赦しないコリーの、ヒーロー的なカッコ良さを楽しめます。 まとめ C 2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE 本作がアメリカで話題になったのは、トランプ政権の移民政策に対する反感があるかもしれません。 テイラー・シェリダンは、脚本家として、メキシコ国境地帯の麻薬戦争を描いた2015年の映画『ボーダーライン』や、銀行強盗を繰り返す兄弟の姿を通して、衰退していくアメリカを描いた2016年の映画『最後の追跡』に携わっています。 そして、今作では自らが監督として 「アメリカ社会から、隔離された人達の闇と悲劇」を描いています。 映画は、作品にその時の時代性を感じる事が面白さの1つですが、今作は アメリカの「今、現在」の空気を反映させた映画ではないでしょうか。 日本でも、2018年は『万引き家族』が大ヒットしました。 この作品は、社会から外れてしまい「忘れられながらも生きていかなければならない人達」の物語だと思います。 世界的に「 格差のある社会」というのは問題になっている、その事に皆が危機感を抱いているのではないかと感じました。 本作はエンターテイメント映画として本当に楽しめますが、 映画の設定や背景などが分かれば、さらに印象に残る作品となっています。

次の

【ネタバレ感想】映画『ウインドリバー』。実話に秘められた真実を考察

ウィンド リバー 実話

監督・脚本は、主演はとが務めた。 なお、本作はシェリダンの監督デビュー作でもある。 本作は2017年5月に開催されたの「ある視点」部門に出品され、シェリダンが監督賞を受賞した。 あらすじ [ ]。 合衆国魚類野生生物局)の、コリーは雪山に囲まれた雪原の中で、の少女ナタリーの死体を発見した。 (インディアン部族警察)署長のベンは、(連邦捜査局)に捜査を依頼するが、派遣されたのは新人捜査官のジェーン1人だった。 ジェーンは過酷な環境での捜査に難渋し、コリーに捜査への協力を依頼した。 検死を行うと裂傷やレイプ痕があり、殺人の可能性が高いが、死因は冷気を吸ったことによる、肺の出血と窒息死であり他殺とは断定されなかった。 捜査を進めて行くと、ナタリーが極寒の中を10キロもの距離を裸足で逃げていたことが分かり、さらにナタリーの恋人マットの遺体が森の中で見つかる。 謎は深まるが、コリー、ジェーンらはマットの勤務先である、掘削地の警備員たちに目星をつけるが、2人は真実とともにネイティブ・アメリカン社会の闇に直面することになる。 コリー・ランバート - ()• ジェーン・バナー - ()• ベン・ショーヨ - ()• ナタリー・ハンソン - ()• マーティン・ハンソン - ()• ウィルマ・ランバート - ()• チップ・ハンソン - ()• アニー・ハンソン - アルテア・サム• ケイシー・ランバート - テオ・ブリオネス• ダン・クロウハート - ()• アリス・クロウハート - ()• マット・レイバーン - (木村雅史)• ピート・ミッケンズ - ()• カーティス - ()• ディロン - ()• カール - オースティン・グラント• エヴァン - ()• ランディ・ホワイトハースト博士 - ()• フランク・ウォーカー - タイラー・ララッカ• サム・リトルフェザー - ジェラルド・トカラ・クリフォード 製作 [ ] 5月、とエリザベス・オルセンがテイラー・シェリダンの監督デビュー作に出演することになったと報じられた。 1月、降板したパインの代役として、ジェレミー・レナーが起用されることとなった。 5月31日、本作の主要撮影がで始まった。 公開 [ ] 2016年5月13日、の会場で、ワインスタイン・カンパニーが本作の配給権を獲得した。 2017年1月、ワインスタイン・カンパニーが本作の配給権を手放したとの報道があった。 しかし、サンダンス映画祭の開催中に、ワインスタイン・カンパニーは再び本作の配給権を購入した。 2017年10月、本作の製作総指揮を務めたが長きにわたってセクハラを行っていたという報道が出た。 それを受けて、本作のDVD版及びネット配信版のクレジットからワインスタインの名前が消されることになった。 これは賞レースで不利にならないための措置でもあると報じられている。 評価 [ ] 本作は批評家から高く評価されている。 3点となっている。 サイト側による批評家の要約は「『ウインド・リバー』は観客をキャラクターが織りなすミステリーへと誘い込んでいる。 脚本は知的で、俳優の演技も見事なものである。 工夫を凝らした舞台設定はタイトル通りの恐ろしさを生み出している。 」となっている。 また、には40件のレビューがあり、加重平均値は73点となっている。 『』のは「ヒューマニズムのある犯罪ドラマだが、興奮よりも狡知を感じる」と述べている。 『 The Verge』は「『』と『』から続くフロンティア三部作の終幕であり、スリリングで暴力的な作品だ」と評している。 『 ()』のデヴィッド・エーリッヒは本作にB評価を下し、「もし『ウインド・リバー』が他の作品と同様に、シェリダンの弱点を抱えているのだとしても、同作はシェリダンの強みを最大限活かした作品である。 観客が衝撃を受けるような作品ではないが、苦みがあり、人間の本能を向き出しにした作品である。 」と述べている。 出典 [ ]• 2017年8月29日. 2018年7月23日閲覧。 Box Office Mojo. 2019年3月11日閲覧。 The Numbers. 2019年3月11日閲覧。 『キネマ旬報』2019年3月下旬特別号 p. Variety 2017年5月27日. 2017年8月11日閲覧。 Screen Daily 2015年5月14日. 2017年8月11日閲覧。 IndieWire 2015年5月14日. 2017年8月11日閲覧。 Deadline 2016年1月15日. 2017年8月11日閲覧。 Deadline 2016年4月25日. 2017年8月11日閲覧。 Hollywood Reporter 2016年5月14日. 2017年8月11日閲覧。 Hollywood Reporter 2017年1月9日. 2017年8月11日閲覧。 IndieWire 2017年1月27日. 2017年8月11日閲覧。 Hollywood Reporter 2017年10月25日. 2017年10月29日閲覧。 Rotten Tomatoes. 2017年8月11日閲覧。 Metacritic. 2017年8月11日閲覧。 Variety 2017年1月22日. 2017年8月11日閲覧。 The Verge 2017年1月23日. 2017年8月11日閲覧。 IndieWire 2017年1月23日. 2017年8月11日閲覧。 外部リンク [ ]• (日本語)• - (英語)• - (英語)• - (英語)• - (英語).

次の

映画『ウインド・リバー』は実話?犯人は誰?ストーリーをネタバレ解説!

ウィンド リバー 実話

月明かりが照らす広大な雪原を、血を流しながら一人裸足で走る若い女性。 彼女の死をめぐってこの映画は展開する。 なぜ彼女は雪原を走っていたのか。 なぜ彼女は血を流していたのか。 なぜ彼女は死ななければならなかったのか。 一体、誰が、何が、彼女を殺したのか。 その雪原はアメリカ中西部の山岳地帯にあるワイオミング州、さらにその内部の「ウインド・リバー保留地(Wind River Indian Reservation)」の中にある。 ワイオミング州は日本の7割弱ほどの広大な土地に、アメリカ50州のうち最少の60万人弱の人口を抱える人口密度の小さな州だ。 その中ほどにあるウインド・リバー保留地には2〜3万人ほどのアメリカ先住民が暮らしているという。 テイラー・シェリダン監督が本作『ウインド・リバー』のテーマに選んだのは、「アメリカ先住民(Native American)」、そして先住民の各部族が自治を行う「保留地(Reservation)」における残酷なまでに厳しい生活環境だ。 厳しい自然環境、水道など生活インフラの不備、圧倒的な失業率、蔓延するアルコール依存、ドラッグ依存、ギャング、家庭内暴力、レイプ、糖尿病……。 多くの保留地には一定規模以上の産業が存在せず、カジノや刑務所、ウランの採掘場や産業廃棄物処理場などにまで土地を差し出してきた。 さらに、保留地を離れて都市に出たネイティブ・アメリカンたちには人種差別の現実が立ちはだかってきた。 この環境は「フェア」じゃない。 映画の主人公であるコリー(ジェレミー・レナー)はそう言う。 フェアではない環境の中で、先住民にルーツを持つ人々が自分自身を傷つけ、そしてコミュニティ内部の他者をも傷つけてきた。 一体なぜこんなことになってしまったのか。 その理由を知るには、少しだけ歴史的な経緯を理解する必要がある。 彼らは何よりもまず「土地を奪われた人々」である。 ヨーロッパからの植民者が訪れる前、彼らは北アメリカの全ての土地に対する自由を持っていた。 もちろん、実際には「ネイティブ・アメリカン」という一つの部族がいたわけではなく、非常に多くの部族がそれぞれに固有の生活圏で暮らしていた。 現在のカナダに近い地域からメキシコ北部に至るまで、「アメリカ先住民」と括られる諸部族は様々な地域でそれぞれのコミュニティを形成していた。 実のところ、その約8割は、合計326の保留地の外で暮らしていると言われる。 なぜか。 彼らへと充てがわれた土地が、人間が住むのにはあまりにも厳しい土地であることがその大きな理由の一つである。 先住民の部族には、植民者たちが自分たちには「不要」であり、「住むに値しない」とみなした土地のみが与えられた。 ネイティブ・アメリカンたちがそうした辺境の土地へと強制的に移住させられたことが、彼らの多くが保留地を離れざるを得ない根元的な理由になっている。

次の