わび さび。 仏教伝来と日本人の自然観

【わび・さび】の意味を説明できる?理解しておきたい日本独特の美意識|IKITOKI

わび さび

茶の湯独特の雰囲気や境地を、世間ではよく「わび・ の世界」などと呼ぶことがあります。 その意味するところは、閑寂(かんじゃく)・清澄(せいちょう)な世界、あるいは枯淡の境地をあらわしています。 さて、このもの静かでどことなく寂しげな境地、あるいは色彩感を否定したような枯淡な趣(おもむき)を美意識として発展させたところに、日本文化の独自性があるでしょう。 もともと、「わび」という言葉は、動詞の「わぶ」(「気落ちする・つらいと思う・落ちぶれる」などの意)から出た言葉で、また、「さび」も動詞「さぶ」(「古くなる・色あせる」などの意)から生まれた言葉です。 「わび」という言葉の根元には「思い通りにならないつらさ」があり、「さび」という言葉は「生命力の衰えていくさま」という意味があります。 ですから、ともに否定的感情をあらわす言葉なのです。 ところが、こうした否定的な感情をあらわす言葉が逆に評価され、「美を表す用語」として茶の湯の世界や 俳諧 などの文芸の世界で通用するところに、日本人独自の美意識や文化のとらえ方があるといえるでしょう。 「わび」「さび」という言葉が、美を感じさせる言葉に変化していくのには、その背景として和歌文学の伝統がありました。 平安時代から鎌倉時代に至る和歌的世界で、閑寂・簡素・枯淡の境地が生み出されたのです。 文字サイズ調整.

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「わび・さび」の意味を説明できますか?

わび さび

こんにちは、ヨーロッパ班の松村です。 発売中のクーリエ・ジャポン6月号で、「日本に伝わる『美意識』は世界に誇れる文化です」という記事を担当しました。 グローバル化が急速に進み、海外の人々に向けて「日本の文化」を語れる力が重要視されるなか、まずは世界的にも人気の高い「茶の湯」の精神について学んでみようという企画です。 さて、茶の湯の精神と聞いて、「わび・さび」という言葉を連想するかたは多いと思います。 でも、わび・さびとはいったいどういう意味なのか。 はっきり説明できるかたは、きっと多くないでしょう。 かく言う自分も、今回のインタビューをするまでは、その意味をきちんと摑めていませんでした。 木村さんは、わび・さびについて、まずこう説明してくれました。 「 わび・さびは、『侘しさ』と『寂しさ』を表す日本語に、より観念的で美的な意味合いを加えた概念です。 わびとさびはよく混同されますが、じつは両者の意味は異なるんです」 えっ、わび・さびって似たような意味じゃないの……? そう驚かれた読者のかたもいるんじゃないでしょうか。 日常会話のなかではとかく一括りにされがちな、わびとさびという言葉の違いについて、木村さんはこう続けて説明します。 「 さびは、見た目の美しさについての言葉です。 この世のものは、経年変化によって、さびれたり、汚れたり、欠けたりします。 一般的には劣化とみなされますが、逆に、その変化が織りなす、多様で独特な美しさをさびといいます。 一方、わびは、さびれや汚れを受け入れ、楽しもうとするポジティブな心についての言葉です。 つまり、さびの美しさを見出す心がわびなんです」 さびが表面的な美しさだとすれば、わびは内面的な豊かさ。 両者は表裏一体の価値観だからこそ、わび・さびと、よくセットで語られるのだそうです。 こうした日本の美意識について、しっかりと論理的に語れるようになっておくことが、世界で活躍するためにますます重要になると、木村さんは言います。 そう言われることが多々あります。 私は、仕事でよく海外の美術館やアートフェスティバルで講演を行うのですが、そうした場で出会うキュレーターの方やお客さんからも、『日本の美意識は、欧州文化のように論理的には説明できないものだ』と言われたことがあります。 でも、私はそうは思いません。 そんな感性が、日本では伝統的に育まれてきたと思うんです」 日本の美意識はわび・さびだけでは表せないと、木村さんは言います。 「やつし」や「数寄」、「ばさら」に「けれん」といった概念も、日本の伝統文化を語るうえでは欠かせない、とても重要なキーワードなのだそうです。 クーリエ・ジャポン6月号には、特別付録として「知性を鍛える『教養書』100冊ブックガイド」もついています。 そのなかでも、木村さんが「和の心を磨くための本」を10冊紹介してくれていますので、そちらも本誌の記事と併せてチェックしてください。 きっと、自分の「美意識」についても、より深く理解できるようになるはずです!.

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【わび・さび】の意味を説明できる?理解しておきたい日本独特の美意識|IKITOKI

わび さび

わび(侘び) 「侘び」は「飾りのない、あっさりとした味わい」という意味で、茶道や俳諧の理念の一つです。 室町時代の中期頃になると、茶を立てて客をもてなす「茶の湯」が行われるようになり、安土桃山時代には、千利休が茶の湯を大成させましたが、その際に「物の貧相さや物が不足した不便さを良しとして、簡素な生活を楽しむ」という「わび」の概念が確立していったといわれています。 「わび」は、 「貧相や不足の中に見い出す充実した美しさ」、言い換えれば 「不足するものに感じる美しさ」といえます。 「不足」という、目には見えないことに対して充実した美しさを感じるという意味で、「内面の美しさ」を表現しているともいえます。 さび(寂び) 「寂びる」は「古くなったり、色があせたりする」という意味ですが、その名詞形の「寂び」は「古びて趣のあること。 閑寂の趣。 」という意味があります。 「さび」は、江戸時代に、松尾芭蕉が「俳諧で、物静かで落ち着いた風情が、その句の題材からではなく、洗練られた作者の心情から自然に溢れ出る」という感覚を表現する言葉として使ったといわれています。 「さび」は、 「いづれは儚く(はかなく)無くなってしまうであろう古くなったものに対して、閑寂のなかで自然に感じられる美しさ」、簡単にいえば 「古いものに感じる美しさ」といえます。 目に見える「古いもの」に対して、自然に美しさを感じるという意味で、「外面の美しさ」を表現しているともいえます。 日本人の美意識 西洋では、「人工的なもの」「華やかなもの」「対照的なもの」に対して美しさを感じるという美意識があります。 これに対して、日本では、「自然なもの」「落ち着いたもの」「朽ちていくもの」に対して美しさを感じるという美意識の特徴があります。 この日本独特の美意識から生まれたのが、「わび」「さび」だといえます。 日本語には、「がんばる」「忖度(そんたく)する」など、英語ではうまく言い表せない言葉がありますが、「わび」「さび」も英語で表現することが難しい言葉です。 敢えて、「わび・さび」の訳となる英単語を挙げるとすれば「rustic(飾り気のない、素朴な、田舎の)」を挙げることができるかもしれませんが、「わび・さび」のほんの一部分しか表現できていません。 「traditional Japanese beauty」とすれば、ある程度のニュアンスは伝わるかもしれません。 いずれにしても、「わび」「さび」は、感覚として、日本人にしか理解できない美の感覚といってもいいでしょう。 まとめ 「わびさび」は、「不足するものに感じる美しさ」「古いものに感じる美しさ」という「内面の美しさ」と「外面の美しさ」とを合わせて表現した、日本独特の美の感覚です。 「日本の心」と比喩されることもある「わびさび」は、西洋では、簡単には理解されにくい美の感覚だといえます。 グローバル化が進む中、華やかで人工的な西洋風の建物がどんどん増え、生活スタイルも近代的なものに様変わりしていますが、日本の古き良き時代に生まれた「わび・さび」の心は、日本人として、いつまでも持ち続けていきたいですね。

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