サイトカイン 放出 症候群。 サイトカイン放出症候群とは

【新型コロナ】 健康な若者が命を落とすのはなぜ?手がかりの「サイトカインストーム」とは

サイトカイン 放出 症候群

身体がウイルスや細菌に初めて遭遇すると、免疫システムの働きが高まって、侵入者と戦い始める。 この戦いで歩兵となるのがサイトカインと呼ばれる分子で、細胞にシグナルを次々と送り出して反応を促す。 通常、この免疫反応が強いほど、感染症に打ち勝つ可能性も高くなる。 子供や若者が全体的にコロナウイルスの影響を受けにくいのは、これが理由の1つである。 そしていったん敵が打倒されれば、免疫システムは自らオフになるように作られている。 サイトカインストームの専門家であるアラバマ大学バーミンガム校のランディ・クローン博士は、「これはほとんどの人で、そしてほとんどの感染症で起こっていることです」と説明する。 しかし一部のケースでは(クローン博士のチームによれば、あらゆる重症感染症の患者の15%程度)ウイルスの脅威が去ってからしばらくたっても、免疫システムが暴れ回っている。 免疫システムは、身体を厳戒態勢において、消耗させるサイトカインを放出し続ける。 そうしたサイトカインが、誤って身体を守ろうとした結果、肺や肝臓を含む複数の臓器を攻撃してしまい、これが死につながる場合がある。 関連記事: 健康な若者はサイトカインストームで命を落とす? サイトカインストームはあらゆる年齢の人を襲う可能性があるが、一部の科学者は、1918年のインフルエンザのパンデミックや、もっと最近のSARSやMERS、新型インフルエンザの流行の期間に健康な若者が亡くなったのは、サイトカインストームで説明できると考えている。 この現象は、全身性エリテマトーデスやスティル病(関節炎の一種)など、 さまざまな自己免疫疾患の合併症としても起こる。 さらにサイトカインストームは、他の面では健康な若い新型コロナウイルス感染症患者が、急性呼吸窮迫症候群で亡くなっている理由の手がかりとなる可能性がある。 急性呼吸窮迫症候群は、サイトカインストームの結果として生じることが多いのである。 中国やイタリアでは、この現象と一致すると思われる臨床症状のある若い患者が報告されている。 こうした患者の一部は、サイトカインストームを起こしていた可能性が非常に高いとクローン博士はいう。 前述の42歳の患者のケースでは、サイトカインストームが疑われたため、医師らは最終的に トシリズマブという薬を投与した。 これは、危険な状態にある免疫システムを落ち着かせるのにときおり使われてきた薬だ。 この薬を8時間間隔で2回投与しただけで、患者の熱は急激に下がり、酸素レベルが上昇した。 胸部スキャンでは肺がきれいになっているのがわかった。 「アナルズ・オブ・オンコロジー」誌に掲載された、この患者の症例は、イタリアや中国からの数十件の報告とともに、トシリズマブが一部の患者において、新型コロナウイルスに対する有効な治療薬である可能性を示している。 3月5日に、中国は、新型コロナウイルス感染症の重篤患者にトシリズマブを使用することを承認し、臨床試験の実施を認可した。 3月23日には、アメリカ食品医薬品局(FDA)が製薬会社ロシェに対して、数百人のCOVID-19患者を対象としたトシリズマブの臨床試験を認可した。 トシリズマブは、関節リウマチや、数種類のがんにおいて、免疫分子の過剰な活動を抑える作用が認められている。 インターロイキン-6という、過剰な免疫反応に関連する特別なサイトカインの活動を抑制するのである。 関連記事: 2週間前までは医師も知らなかった「サイトカインストーム」 研究者らは、治療法を探ると同時に、一部の患者の免疫システムが危険な暴走状態になる理由について理解を深めようとしている。 少なくとも一部の種類のサイトカインストームの場合、そのリスクは遺伝要因で説明がつく。 サイトカインストームには多くのバリエーションがあり、 全身性炎症反応症候群、 サイトカイン放出症候群、 マクロファージ活性化症候群、 血球貪食性リンパ組織球症というように、多くの名称がある。 おおまかにいえば、これらはどれも免疫分子の無制限の増加が特徴である。 結果として、複数の臓器の機能が停止し、命に関わる可能性がある。 しかしこのニッチ的な概念に精通していない医者が多いと専門家は指摘する。

次の

ストーム警報

サイトカイン 放出 症候群

サイトカイン放出症候群 CRS 分類および外部参照情報 サイトカイン放出症候群(サイトカインほうしゅつしょうこうぐん、: Cytokine release syndrome、 CRS)または 急性輸注反応(: Acute infusion reaction) は抗等のを投与した際に起こり得る即時反応型の副作用であり、とは異なる概念である。 血中に炎症性サイトカイン等が放出され、悪寒、悪心、倦怠感、頭痛、発熱、頻脈、血圧変動等の種々の症状が起こる。 重症の病態を サイトカインストームと呼ぶ(下記参照)。 (ウサギ由来-商品名:、ウマ由来-商品名:リンフォグロブリン (販売中止))、 ()(マウス由来-商品名:オルソクローンOKT3 (販売中止))、 (開発中止)等のほか、抗CD-20抗体(抗抗体)であるでも見られる。 薬剤がやと結合して、T細胞等が死滅する前に活性化されてを放出することで生ずる現象である。 放出されるサイトカインは IL 、 IFN 、 TNF 等であり、と同様である。 2011年にはサイモグロブリン使用例でを惹起した事例が報告され 、サイトカイン症候群が原因の1つである可能性が指摘された。 薬剤の投与量を減ずることで症状は大きく軽減される [ ]。 また、投与速度を抑えたり、事前に や重症例では を静脈内投与することでも軽減できる。 しかし、ステロイド系抗炎症薬の投与を行うと治療効果は減弱する。 発熱の予防に500mgを抗体薬投与の1時間前に経口投与しておくことも有効である [ ]。 サイトカインストーム [ ] サイトカインストーム 分類および外部参照情報 サイトカインストーム(: Cytokine storm) 、または サイトカインカスケード(: Cytokine cascade)、 高サイトカイン血症(: Hypercytokinemia)はとので発生する、時に致死的な免疫反応である。 様々なサイトカインの血中濃度が上昇する。 IL-6 阻害が新たな治療法につながる可能性が報告されている。 サイトカインストーム cytokine storm という用語は、1993年2月のGVHDに関する論文で ()に初めて掲載された。 症状 [ ] 代表的な症状は、、、潮紅、極度の、である。 多臓器不全に至り死亡する例もある。 原因 [ ] がと闘う際には、感染細胞からサイトカインシグナルが放出されてや等の免疫細胞を炎症部位に誘導する。 その後サイトカインはこれらの免疫細胞を活性化し、さらなるサイトカイン放出を促す。 通常は、身体はこのフィードバックを見張っているが、時には、制御が乱れて免疫細胞が1箇所に過剰に集中して活性化されることがある。 その正確な理由は完全には解明されていないが、新たな高病原性の脅威に対して過剰に反応するためであろうと考えられている。 サイトカインストームは臓器組織に重大な障害を与える可能性がある。 例えばサイトカインストームがで起こった場合には、漿液や免疫細胞が気道に集中して閉塞を生じ、死亡する危険性がある。 サイトカインストーム(高サイトカイン血症)では、免疫系が抑制・疲弊していない場合には150種以上の性メディエーター(サイトカイン、、)が放出される。 炎症性サイトカイン(、、等)と抗炎症性サイトカイン( ()や ()等)の両方の中濃度が上昇する。 サイトカインストームは多くの炎症性疾患および非炎症性疾患( GVHD 、 ARDS 、、、、、 SIRS )で発生する ほか、一部の医薬品でも誘発される。 その実例として、2006年に治験薬が実施中の6名にサイトカインストームによると思しき 極めて重篤な反応 を惹起したことが挙げられる。 パンデミックでの役割 [ ] 1918年から1919年に掛けて流行したでは、5千万〜1億人とされる死者の中で健康であった若者の死亡数が際立って多かった理由として、サイトカインストームが発生したことが関係すると信じられている。 この場合、健康な免疫系は身を守るものとしてではなく己を攻撃するものとして動作したことになる。 2003年の流行の際も、での予備的な調査の結果、その死因の多くがサイトカインストームによると判明している。 トリインフルエンザでヒトが死亡する場合にも関係している。 H1N1 で基礎疾患のない若者の死亡率が高いことも同様に説明され、スペイン風邪でも同様であったであろうと推測されている。 しかし、 CDC はH1N1の症状は従来の季節性インフルエンザと同じで 、「ブタ由来A型インフルエンザウイルス H1N1 の変異株に関する臨床的知見の集積は不充分である」と声明を出している。 サイトカインストームは感染症でも発生する。 また、でも発生しているという指摘もある。 治療 [ ] OX40-Ig [ ] 2003年に () 誌に発表された報告で、の無力化でサイトカインストームを防止できる可能性が示された。 通常、T細胞が活性化された数日後、T細胞から ()(別名: ())と呼ばれる生存シグナル物質が放出され、病原体が存在する炎症部位でのT細胞の活性化が維持される。 に出現しているOX40のリガンド(OX40L、別名:TNFSF4、gp34)はT細胞上のOX40と結合し、T細胞死の抑制とサイトカイン放出に寄与している。 OX40とが結合した蛋白質(OX40-Ig、ヒト由来成分で作製された)は、OX40リガンドとOX40の結合を阻害し、T細胞の働きを減弱させる。 マウスを用いた実験では、OX40-Igが免疫過剰反応に基づく症状を抑止できることが示された。 この実験結果は 誌に投稿された。 第I相臨床試験が2004年に実施されていたが、現在の開発状況は不明である。 また、はOX40ならびにOX40リガンドおよび同の量を抑制する。 ACE阻害薬およびアンジオテンシンII受容体阻害薬 [ ] RAS はサイトカインストームに関係があるとされており 、 ACE が肺の炎症性病態に関係していることから 、および ARB がサイトカインストームを抑制し得るとされている。 2003年には、血清中ACE濃度がサイトカイン関連の炎症性肺疾患の評価に有用なマーカーであることが示されている。 アンジオテンシンIIもまた、サイトカイン関連肺障害に関与していることが示されており 、ACE阻害薬が有用である可能性が示唆される。 ACE阻害薬とARBを サイトカインが関連する多くの炎症性病態に用いた結果のレビューが公表され、ACE阻害薬およびARBは理論的にもサイトカインストームを抑制し得るとされた。 抗炎症薬 [ ] ARDS 時にサイトカインストームの状態にある患者を治療するために頻繁に使用されているにもかかわらず、およびはでは肺の機械的機能やガス交換へは効果がなく、早期ARDS治療への有用性は見られなかった。 0026 が認められた。 これがヒトにも適用できるとすると、投与経路は異なるものの、既存の医薬品を速やかに新型インフルエンザの治療薬に転用できる可能性が拓かれる。 関連項目 [ ]• () CAPS 脚注 [ ] [] 注釈 [ ]• 大阪医科大学. 2016年6月7日閲覧。 羊土社. 2016年6月7日閲覧。 2016年6月7日閲覧。 橋本成修 2013年10月7日. 日経メディカル. 2016年6月8日閲覧。 Parikh BK, Bhosale GP, Shah VR 2011. Indian J Crit Care Med 15 4 : 230-2. 鈴木睦、小島健介、林砂緒 ほか、 日本トキシコロジー学会学術年会 2006年 第33回日本トキシコロジー学会学術年会 セッションID:P-114, :• 433-442, :• The New England Journal of Medicine 352 18 : 1839—1842. 2005-05-05. Transplant Proc. 2 25 : 1216—1217. February 1993. 川西徹、 日本薬理学雑誌 2008年 131巻 2号 p. 102-108, :• Murphy, K. ; Travers, P. ; Walport, M. 2007. Janeway's Immunobiology. 7th ed. London: Garland. Horst Ibelgaufts 2013年4月7日. Copewithcytokines. 2013年4月17日閲覧。 ; Cecil, Russell L. ; Goldman, Lee; Bennett, J. Claude 2000. Cecil Textbook of Medicine 21st ed. Philadelphia: W. Saunders. Coghlan A 2006年8月14日. Health. New Scientist. 2009年4月29日閲覧。 Lancet Oncology 8 2 : 85. February 2007. Journal of Medical Virology 75 2 : 185—94. February 2005. Emerging Infectious Diseases 13 10 : 1512—8. October 2007. Lacey M McNeil DG Jr 2009年4月24日. NYTimes. com. 2009年4月29日閲覧。 Centers for Disease Control and Prevention CDC 2009年4月29日. 2009年4月29日閲覧。 The Journal of Infectious Diseases 179 2 : 295—302. 1999. J Exp Med. 198 8 : 1237—1242. 2003-10-20. Bhattacharya S 2003年10月20日. New Scientist. 2009年4月29日閲覧。 Clinicaltrials. gov. 2013年4月17日閲覧。 J Int Med 37 3 : 601—10. 2009. Artif Organs 29 2 : 174—178. February 2005. J Appl Physiol Department of Medicine, Johns Hopkins University 95 6 : 2278—2284. December 2003. Clin Exp Immunol Sapporo Medical University School of Medicine 132 1 : 152—157. April 2003. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol Royal Free and University College London Medical School 286 1 : 156—164. January 2004. J Cell Physiol The Cardiovascular Institute, Michael Reese Hospital and Medical Center 185 2 : 253—259. November 2000. The Journal of the Association of Physicians of India 53: 472—6. May 2005. Antimicrob Agents Chemother 51 8 : 2965—8. Aug 2007. Annals of the Rheumatic Diseases 67 5 : 713—6. May 2008. 外部リンク [ ]•

次の

サイトカイン放出症候群とは

サイトカイン 放出 症候群

身体がウイルスや細菌に初めて遭遇すると、免疫システムの働きが高まって、侵入者と戦い始める。 この戦いで歩兵となるのがサイトカインと呼ばれる分子で、細胞にシグナルを次々と送り出して反応を促す。 通常、この免疫反応が強いほど、感染症に打ち勝つ可能性も高くなる。 子供や若者が全体的にコロナウイルスの影響を受けにくいのは、これが理由の1つである。 そしていったん敵が打倒されれば、免疫システムは自らオフになるように作られている。 サイトカインストームの専門家であるアラバマ大学バーミンガム校のランディ・クローン博士は、「これはほとんどの人で、そしてほとんどの感染症で起こっていることです」と説明する。 しかし一部のケースでは(クローン博士のチームによれば、あらゆる重症感染症の患者の15%程度)ウイルスの脅威が去ってからしばらくたっても、免疫システムが暴れ回っている。 免疫システムは、身体を厳戒態勢において、消耗させるサイトカインを放出し続ける。 そうしたサイトカインが、誤って身体を守ろうとした結果、肺や肝臓を含む複数の臓器を攻撃してしまい、これが死につながる場合がある。 関連記事: 健康な若者はサイトカインストームで命を落とす? サイトカインストームはあらゆる年齢の人を襲う可能性があるが、一部の科学者は、1918年のインフルエンザのパンデミックや、もっと最近のSARSやMERS、新型インフルエンザの流行の期間に健康な若者が亡くなったのは、サイトカインストームで説明できると考えている。 この現象は、全身性エリテマトーデスやスティル病(関節炎の一種)など、 さまざまな自己免疫疾患の合併症としても起こる。 さらにサイトカインストームは、他の面では健康な若い新型コロナウイルス感染症患者が、急性呼吸窮迫症候群で亡くなっている理由の手がかりとなる可能性がある。 急性呼吸窮迫症候群は、サイトカインストームの結果として生じることが多いのである。 中国やイタリアでは、この現象と一致すると思われる臨床症状のある若い患者が報告されている。 こうした患者の一部は、サイトカインストームを起こしていた可能性が非常に高いとクローン博士はいう。 前述の42歳の患者のケースでは、サイトカインストームが疑われたため、医師らは最終的に トシリズマブという薬を投与した。 これは、危険な状態にある免疫システムを落ち着かせるのにときおり使われてきた薬だ。 この薬を8時間間隔で2回投与しただけで、患者の熱は急激に下がり、酸素レベルが上昇した。 胸部スキャンでは肺がきれいになっているのがわかった。 「アナルズ・オブ・オンコロジー」誌に掲載された、この患者の症例は、イタリアや中国からの数十件の報告とともに、トシリズマブが一部の患者において、新型コロナウイルスに対する有効な治療薬である可能性を示している。 3月5日に、中国は、新型コロナウイルス感染症の重篤患者にトシリズマブを使用することを承認し、臨床試験の実施を認可した。 3月23日には、アメリカ食品医薬品局(FDA)が製薬会社ロシェに対して、数百人のCOVID-19患者を対象としたトシリズマブの臨床試験を認可した。 トシリズマブは、関節リウマチや、数種類のがんにおいて、免疫分子の過剰な活動を抑える作用が認められている。 インターロイキン-6という、過剰な免疫反応に関連する特別なサイトカインの活動を抑制するのである。 関連記事: 2週間前までは医師も知らなかった「サイトカインストーム」 研究者らは、治療法を探ると同時に、一部の患者の免疫システムが危険な暴走状態になる理由について理解を深めようとしている。 少なくとも一部の種類のサイトカインストームの場合、そのリスクは遺伝要因で説明がつく。 サイトカインストームには多くのバリエーションがあり、 全身性炎症反応症候群、 サイトカイン放出症候群、 マクロファージ活性化症候群、 血球貪食性リンパ組織球症というように、多くの名称がある。 おおまかにいえば、これらはどれも免疫分子の無制限の増加が特徴である。 結果として、複数の臓器の機能が停止し、命に関わる可能性がある。 しかしこのニッチ的な概念に精通していない医者が多いと専門家は指摘する。

次の